高気密高断熱住宅なのに夏暑いのはなぜ?7つの原因と後悔しないための対策
こんにちは!MU設備広報部です!
この記事をお読みの方は「高気密高断熱なのになぜ夏暑いのか?」という疑問をお持ちではないでしょうか?
高気密高断熱住宅は、外気温の影響を受けにくく、少ない冷暖房エネルギーで快適な室温を保ちやすい住宅ですが、実際に住み始めてから、以下の様に感じる方もおられます。
「高気密高断熱住宅なのに夏は暑い」
「2階や吹き抜けに熱がこもる」
「エアコンをつけてもなかなか涼しくならない」
「夜になっても室温が下がらない」
高気密高断熱住宅が夏に暑くなる原因は、必ずしも気密性や断熱性が高いからではなく、窓から入る日射、日射遮蔽、空調計画、換気、断熱・気密施工など、複数の要因が関係することをご存知でしょうか。
特に注意したいのが、断熱性能を表すUA値が良くても、実際の住宅の隙間量を表すC値は別の性能だという点です。
そこでこの記事では、日々気密測定の現場に携わるMU設備が、高気密高断熱住宅なのに夏暑くなる原因と対策、C値や気密測定で確認できることを解説します。
冒頭の様なお悩みの方の参考になれば幸いです!
高気密高断熱住宅が夏暑いのは性能が高いからではない
早速ですが結論から言うと、高気密高断熱住宅だから夏に暑くなるわけではありません。
断熱性能が高い住宅は、屋根や外壁、窓などを通じて外の熱が室内へ移動するのを抑えられるため、本来は冷房効率を高めやすい住宅です。
環境省も、省エネ住宅やZEHを構成する要素として、高断熱化と夏季の日射遮蔽を挙げています。
重要なのは、断熱性能を高めるだけでなく、夏場に室内へ入る熱を減らすこと。
断熱性の高い住宅では、一度室内に入った熱も外へ逃げにくくなるため、日射遮蔽や空調計画が不十分だと、室内に熱が蓄積して暑く感じる場合があります。
つまり、「高気密高断熱だから暑い」のではなく、断熱・気密・日射遮蔽・空調・換気のバランスに問題がある可能性を考える必要があるということですね。
高気密高断熱住宅なのに夏暑い7つの原因
次に高気密高断熱住宅なのに夏に暑い原因を詳しく見ていきましょう。
1.窓から入る日射への対策が不足している
まずはこちら。
夏の暑さを考えるうえで、特に注意したいのが窓から入る日射です。
断熱性能の高い壁や屋根を採用していても、大きな窓から強い日差しが入れば、室内の温度は上がりやすくなります。
特に、西側の窓は午後の低い位置から強い日差しが入りやすいため、西日によって夕方以降も室温が下がらないケースがあります。
南向きの窓についても、軒や庇の長さが適切でなければ、夏の日差しが室内まで入り込む可能性があります。
窓の断熱性能だけでなく、方角や大きさ、ガラスの日射取得率、軒・庇などを含めて計画することが重要です。
2.室外での日射遮蔽ができていない
夏の日差しは、室内へ入ってからカーテンで遮るよりも、窓の外側で遮る方が効果的です。
室内のカーテンやブラインドでも眩しさは抑えられますが、日射熱はすでに窓ガラスを通過しているため、室内へ熱が入り込んでしまいます。
そのため、次のような設備などを使い、できるだけ窓の外側で日差しを遮ることがポイントです。
・軒、庇
・外付けブラインド
・アウターシェード
・すだれ
・オーニング
・植栽
高断熱住宅を建てる際は冬の日射取得も重要ですが、夏の日射遮蔽とのバランスまで考える必要があるということです。
3.2階や屋根付近に熱がたまっている
「1階は涼しいのに2階だけ暑い」という場合は、屋根から伝わる熱や、暖かい空気が上部へ移動する性質が関係している可能性があります。
屋根は夏の強い日差しを長時間受ける部分でして、屋根や天井の断熱施工が不十分な場合、その熱が2階へ伝わりやすくなるのです。
また、吹き抜けやリビング階段のある住宅では、室内の暖かい空気が上部に集まり、2階の廊下や居室が暑くなることも。
屋根断熱・天井断熱の方法や厚みだけでなく、断熱材が隙間なく施工されているか、空気を循環させる計画になっているかも確認したいポイントです。
4.エアコンの容量や設置場所が住宅に合っていない
高気密高断熱住宅は、少ない冷暖房エネルギーで快適な室温を維持しやすい住宅ですが、必ず小型エアコン1台で家全体を冷やせるわけではありません。
住宅の広さや間取り、吹き抜け、窓の大きさ、日射量などによって必要な冷房能力は変わります。
また、エアコンの容量が足りていても、冷気が各部屋へ届かなければ温度差が生じますし、特に扉を閉めた個室や2階の居室まで1台のエアコンで冷やす計画の場合は、冷気がどのように移動するのかを事前に検討しなければなりません。
「高性能住宅だからエアコン1台で十分」という説明だけで判断せず、冷房負荷や空気の流れに基づいた計画かを確認しましょう。
5.24時間換気だけで暑さを排出できると考えている
24時間換気は、室内の汚れた空気を排出し、新鮮な外気を取り入れるための設備。
室温を下げるための冷房設備ではないため、24時間換気だけで室内の暑さを解消できるわけではありません。
夏の日中は外気温も高く、換気によって取り入れる外気そのものが暖かい場合があります。
第一種換気で熱交換機能が付いている場合でも、エアコンのように空気を冷却する設備ではありません。
換気は必要な設備であるため、暑いからといって停止するのではなく、換気方式の特徴を理解したうえで冷房設備と併用することが大切です。
6.家電や生活によって室内で熱が発生している
住宅の外から入る熱だけでなく、室内で発生する熱も暑さの原因になります。
たとえば、次のようなものから熱が発生します。
・冷蔵庫やテレビなどの家電製品
・パソコン
・照明
・調理器具
・人の体温
・お湯を使用する設備
高気密高断熱住宅では室内の熱が外へ逃げにくいため、家電製品や調理によって発生した熱が蓄積し、室温に影響することがあります。
特に、日中も家族が在宅している住宅や、パソコン・家電製品を長時間使用する住宅では、設計時の想定よりも室内の発熱量が多くなる可能性があることを覚えておきましょう。
7.断熱・気密施工が設計どおりにできていない
設計上の断熱性能が高くても、実際の施工に欠損や隙間があれば、本来の性能を発揮できない場合があります。
断熱材同士の継ぎ目や配管・配線の貫通部、窓まわり、床と壁の取り合いなどは、施工状態に差が出やすい箇所です。
住宅に想定以上の隙間があると、冷房した空気が外へ逃げ、暖かい外気が室内へ入り込むため、冷房効率に影響する可能性があります。
断熱性能を示すUA値は設計段階で計算できますが、気密性能を示すC値は、実際の建物で気密測定をしなければ分かりません。
そのため、仕様書だけでなく、完成した住宅で性能が再現されているかを確認することが大切です。
高気密住宅と夏の暑さにC値は関係する?
C値とは、住宅全体にどれくらいの隙間があるかを表す数値であり、数値が小さいほど住宅の隙間が少なく、気密性能が高いことを示します。
C値が大きく住宅の隙間が多い場合、夏はその隙間から暖かく湿った外気が入り込み、冷房効率に影響する可能性があります。
一方で、C値が良ければ必ず夏涼しくなるわけではありません。
C値は、夏の暑さに関係する複数の要因のうち、住宅全体の隙間量を確認するための指標です。
「夏暑い原因をすべてC値で判断する」のではなく、気密性能に問題があるかを切り分けるために活用するのが適切です。
建てる前に確認したい夏の暑さ対策
高気密高断熱住宅で夏の暑さを防ぐには、設備や建材の性能だけでなく、住宅全体の設計と施工を確認する必要があります。
契約前や着工前には、住宅会社へ次の点を確認しておきましょう。
窓の方角と日射遮蔽
南・東・西側にどれくらいの大きさの窓があり、夏の日差しをどのように遮る計画になっているかを確認します。
特に西側の大きな窓は暑さの原因になりやすいため、窓の大きさやガラス性能、外付けの日射遮蔽まで確認することが重要です。
UA値だけでなくηAC値も確認する
UA値は住宅の断熱性能を表す数値ですが、夏の日射の入りやすさについては、冷房期の平均日射熱取得率であるηAC値も参考になります。
UA値だけを見て性能を判断するのではなく、夏の日射対策まで考えられた設計かを確認しましょう。
エアコンの容量と設置場所
家全体を何台のエアコンで冷房するのか、各部屋まで冷気をどのように届けるのかを確認します。
エアコン1台で全館を冷房する計画の場合は、扉を閉めたときや就寝時にも温度を維持できるのかを聞いておくことが大切です。
断熱材の施工確認
断熱材の種類や厚みだけでなく、施工中の状態を写真で記録してもらえるか確認します。
特に、屋根・天井・配管貫通部・窓まわりなどは、仕上げ材で隠れる前に確認する必要があります。
気密測定を実施するか
「高気密住宅」と説明されていても、気密測定を行わなければ実際のC値は分かりません。
測定する場合は、次の内容を事前に確認しておきましょう。
・中間気密測定を実施するか
・完成後気密測定を実施するか
・目標とするC値
・漏気箇所を補修するか
・測定結果報告書を発行するか
前提として、補修しやすい工事途中で中間気密測定を行うことで、漏気箇所が見つかった場合に改善できる可能性があるため、気密性を確認したい場合は中間気密測定をオススメします。
「高気密」という説明だけでは、実際のC値は分かりません。
有資格者が気密性能を測定し、漏気箇所の特定から改善アドバイスまで行います。
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すでに建てた住宅が夏暑い場合の対策
すでに完成している住宅が夏暑い場合は、すぐに大規模な工事をするのではなく、原因を一つずつ確認しましょう。
窓の外側で日差しを遮る
まず試したいのが、外付けシェードやすだれなどによる日射遮蔽。
特定の時間帯だけ室温が上がる場合や、西側の部屋が特に暑い場合は、窓からの日射が関係している可能性がありますが対策自体は可能です。
エアコンとサーキュレーターを併用する
エアコンの冷気が一部にたまっている場合は、サーキュレーターやシーリングファンで空気を循環させます。
ただし、サーキュレーターだけで室温が下がるわけではないため、エアコンと併用することが前提です。
換気設備のフィルターを確認する
換気設備のフィルターが汚れていると、必要な換気量を確保できない可能性があります。
給気口や排気口を家具で塞いでいないかも確認しましょう。
気密性能を測定する
窓からの日射やエアコンに大きな問題がないにもかかわらず、冷房が効きにくい、特定の場所から暖かい空気を感じるといった場合は、気密性能を確認することが重要です。
完成後でも気密測定は可能ですが、内装が仕上がった状態では補修できる範囲が限られます。
それでも、現在のC値を把握し、漏気が疑われる箇所を確認することは原因を切り分ける判断材料にはなりえるでし
MU設備にお寄せいただくお客様の声
ここでは実際にMU設備で気密測定をさせていただいたお客様から届いたメッセージの一部をご紹介させていただきます。



MU設備の測定実績をご紹介
続いてここでMU設備の測定実績をご紹介します。
こちらの事例では、補修前のC値が1.38でしたが、補修後にC値を0.89まで下げることが出来ました。




その他の事例についてはこちらのページでご紹介しております。
よくある質問
ここからはよくある質問をご紹介します。
高気密住宅は熱がこもりやすいのですか?
高気密であること自体が、夏暑くなる原因ではありません。
高気密住宅は外気の影響を受けにくく、冷房した空気も逃げにくいため、本来は冷房効率を高めやすい住宅です。
ただし、窓から強い日射が入る場合や、室内で発生する熱が多い場合は、その熱を適切に処理する空調計画が必要です。
高気密高断熱住宅ならエアコン1台で十分ですか?
住宅の広さや間取り、日射量、家族構成によって異なります。
高気密高断熱住宅でも、各部屋へ冷気が届かなければ温度差が生じるため、住宅ごとの冷房負荷と空気の流れをもとに判断する必要があります。
24時間換気を止めれば涼しくなりますか?
24時間換気は室内の空気環境を維持するための設備なので、暑いことを理由に停止するのは推奨できません。
寒さや暑さを感じる場合は、給気口の位置、換気量、フィルター、空調計画などを施工会社へ相談してください。
C値が良ければ夏は涼しくなりますか?
C値が良い住宅は、隙間を通じた外気の侵入や冷房した空気の流出を抑えやすくなります。
ただし、夏の室温には日射遮蔽、断熱、空調、換気なども関係するため、C値だけで住み心地を判断することはできません。
まとめ
高気密高断熱住宅なのに夏暑い場合は、気密性や断熱性が高いこと自体ではなく、日射遮蔽や空調、換気、施工状態などに原因があると考えられます。
特に注意したいのが、窓から入る日射です。
断熱性能が高い住宅でも、強い日射が室内へ入り続ければ熱が蓄積するため、窓の外側で日差しを遮る計画が重要になります。
また、設計上のUA値が良くても、実際の建物にどれくらいの隙間があるかは分かりません。
C値は現場で気密測定を行って初めて確認できる数値でして、設計上の性能が実際の住宅で再現されているかを確認する材料のひとつになります。
高気密高断熱住宅で夏も快適に過ごすには、断熱・気密・日射遮蔽・換気・空調をセットで考えることが大切です。
「高気密」という説明だけでは、実際のC値は分かりません。
有資格者が気密性能を測定し、漏気箇所の特定から改善アドバイスまで行います。
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