高気密高断熱住宅はカビが生えやすい?4つの原因と対策を解説【2026年】
こんにちは!MU設備です。
高気密高断熱住宅を検討している方の中には、「高気密住宅は湿気がこもってカビが生えやすいのでは?」「新築なのにカビが発生したという話を聞いて不安」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、高気密高断熱であること自体が、カビの原因になるわけではありません。
むしろ断熱性能が高く、室内の表面温度を保ちやすい住宅は、適切に設計・施工されていれば結露を抑えやすくなります。
ただし、換気が十分に機能していなかったり、室内の湿度が高い状態が続いたりすると、高気密高断熱住宅でもカビが発生する可能性があります。
また、断熱材や気密部分の施工に問題があれば、壁の内部で結露が起こることもあるため注意が必要です。
MU設備では関西を中心に多くの住宅で気密測定を行っていますが、配管や配線のまわり、壁と床、壁と屋根等の取り合いなど、外から見ただけでは分からない隙間が見つかることがあります。
この記事では、そうした現場での経験も踏まえながら、高気密高断熱住宅でカビが発生する原因と対策、気密測定で確認できることを解説します。
高気密高断熱住宅だからカビが生えるわけではない
では早速ですが、高気密高断熱住宅とカビの関係から見ていきましょう。
住宅でカビが発生する原因には、湿気や温度、栄養となる汚れなどが関係しています。中でも特に注意したいのが、湿気と結露です。
高気密住宅は、壁や床などの意図しない隙間から空気が出入りしにくくなります。
そのため、計画された給気口から空気を取り入れ、換気設備によって排気することで、住宅内の空気を入れ替えます。
つまり、気密性能が高いから湿気がこもるのではありません。ここは大事なポイントです。
気密性能を確保したうえで、換気と湿度管理を適切に行うことが大切なのです。
以下の、国土交通省の住宅省エネルギーに関する資料でも、断熱・気密・換気が不十分な住宅では結露が発生しやすいと説明されていて、「高気密だからカビが生える」と単純に考えるのではなく、断熱・気密・換気が一つの仕組みとして機能しているかを確認する必要があります。
高気密高断熱住宅でカビが発生する4つの原因
では次に高気密高断熱住宅でカビが発生する4つの原因について見ていきましょう。
1.24時間換気が十分に機能していない
まず考えられるのが、換気不足。
高気密住宅では意図しない隙間からの空気の出入りが少ないため、24時間換気によって計画的に空気を入れ替えますが、寒さや音が気になるからといって24時間換気を停止したり、給気口を閉じたりすると、室内で発生した湿気を排出しにくくなります。
設備を動かしていても安心とは限らないところが厄介な点です。
フィルターの汚れや給排気口の塞がり、風量設定のずれなどによって、必要な換気量を確保できていない場合もあるからですね。
ちなみに、24時間換気は除湿機ではなく梅雨や夏場には湿度の高い外気を取り込むこともあるため、エアコンや除湿機と組み合わせて湿度を管理することが大切です。
2.室内で発生する湿気が多い
私たちが生活する住宅では、入浴や料理、洗濯物の室内干しなどによって、毎日多くの湿気が発生しています。
さらに、加湿器や観葉植物、もっと言うと人の呼吸や発汗なども室内湿度に影響します。
家族の人数が多い住宅や、洗濯物を室内に干すことが多い住宅では、設計時の想定以上に湿度が高くなることもあるでしょう。
特に浴室や洗面所、キッチン、室内干しをする部屋は湿気が集中しやすいため、換気扇や除湿機を適切に使用する必要があります。
大切なのは、感覚だけで判断しないことです。
部屋に湿度計を設置し、実際の数値を確認してみましょう。
ただし、適切な湿度は季節や室温によっても変わります。数値だけを見るのではなく、窓や壁に結露が発生していないかも確認することをオススメします・
3.窓や壁で表面結露が発生している
冬になると、窓ガラスやサッシに水滴が付くことがありますよね。
これは、室内の暖かく湿った空気が、冷たい窓や壁に触れて結露するためです。
高気密高断熱住宅でも、窓や玄関ドア、北側の外壁、壁と天井の角などは部分的に表面温度が下がる可能性がありまして、特に注意したいのが、家具の裏側やクローゼットの中です。
こうした場所は空気が動きにくく、外壁側の温度も下がりやすいため、知らないうちに結露やカビが発生することがあります(汗)
部屋の中央が快適だからといって、住宅内のすべてが同じ温度・湿度になっているとは限りません。
目につきにくい場所も定期的に確認しましょう。
4.断熱・気密施工に隙間や欠損がある
私たちMU設備として、特に知っていただきたいのがこの点なのですが、図面上の断熱性能が高くても、断熱材に隙間や欠損があれば、部分的に温度が下がる可能性があります。
さらに気密施工に問題があると、室内の湿った空気が壁や天井の内部へ入り込み、冷やされることで結露につながる場合もあり、これがいわゆる壁内結露です。
壁の内部は室内から見えないため、結露やカビが発生していても、すぐには気付けないことがあります。
特に電気配線や給排水管、換気ダクトの貫通部、窓まわり、床と壁の取り合いなどは、気密処理の状態に差が出やすい場所です。
住宅の断熱性能を表すUA値は設計段階で計算できますが、実際の住宅にどれくらいの隙間があるのかは、建物を測定しなければ分かりません。
そこで重要になるのが、気密測定です。
カビや結露の原因は一つではありませんが、
住宅の隙間量は気密測定で確認できます。
有資格者がC値を測定し、漏気箇所の特定から改善アドバイスまで行います。
見積もり・相談無料|個人・工務店どちらも対応
高気密高断熱住宅でカビを防ぐための対策
カビ対策では、まず24時間換気を適切に運転することが基本です。
寒いからといって停止するのではなく、フィルターや給排気口を定期的に確認し、十分な風量を確保できているかを見ておきましょう。
換気設備の設定や風量に不安がある場合は、住宅会社や換気設備業者へ相談してください。
また、湿度計はリビングだけでなく、寝室や脱衣所、クローゼットなどにも置いてみましょう。
住宅内でも、場所によって湿度は異なります。
入浴後は浴室換気扇を使用し、調理中はレンジフードを回しましょう。室内干しをする場合は、エアコンや除湿機も併用すると湿気を排出しやすくなります。
一方、冬場は乾燥が気になるからと加湿しすぎてしまうケースも少なくありません。
窓や壁に結露が発生している場合は、加湿量を見直し、室内の湿度と温度のバランスを調整しましょう。
家具の配置も重要です。
外壁側へ家具を置く場合は、壁との間に空気が通る隙間を設けます。収納内部も物を詰め込みすぎず、ときどき扉を開けて空気を入れ替えてください。
そして、結露や水漏れを見つけたときは放置しないことです。
水滴を拭き取るだけではなく、なぜ繰り返し濡れるのかを確認する必要があります。雨漏りや配管からの水漏れが疑われる場合は、早めに住宅会社や専門業者へ相談しましょう。
建築前・施工中に確認したいカビ対策
これから高気密高断熱住宅を建てる方は、入居後の使い方だけでなく、設計・施工段階での確認も大切です。
断熱材については、種類や性能だけを見るのではなく、隙間なく施工できる計画になっているかを確認しましょう。
特に配管・配線の貫通部や窓まわり、壁と屋根の取り合いなどは、施工後に隠れてしまいます。可能であれば、断熱・気密施工中の写真を残してもらうと安心です。
また、室内の湿った空気を壁の内部へ入りにくくするには、防湿層や気密層を適切に連続させる必要があります。
どの部分で気密を確保するのか、配管や配線が通る場所をどのように処理するのかも住宅会社へ確認してみてください。
換気設備についても、種類だけで判断するのは不十分です。
どこから空気を取り入れ、どこから排出するのか。扉を閉めた状態でも空気が移動できるのか。浴室や洗面所で発生した湿気を排出できるのか。
住宅全体の換気経路まで確認しておきましょう。
さらに、気密性能を確認するのであれば、完成後だけでなく中間気密測定も検討する価値があります。
壁や天井を仕上げる前に測定すれば、漏気箇所が見つかった場合に補修できる可能性があるからです。
C値が良ければカビは発生しない?
ここは誤解されやすい部分です。
C値は、住宅全体にどのくらいの隙間があるのかを表す数値で、小さいほど気密性能が高いことを示します。
しかし、C値が良ければカビが発生しないとは限りません。
カビや結露には、断熱材の施工状態や換気設備の風量、室内の湿度、窓や壁の表面温度、水漏れなども関係します。
気密測定で確認できるのは、主に住宅全体の隙間量と、実際の建物で気密性能が確保されているかどうかです。
測定中に建物を負圧状態にすることで、漏気が疑われる場所を確認し、補修前後のC値を比較することもできます。
一方で、気密測定はカビの有無を調べる検査ではありません。
壁内結露の発生箇所や断熱材の欠損、水漏れ、換気風量まで、C値だけですべて判断できるわけではないのです。
そのため、気密測定はカビの原因を直接特定する方法ではなく、気密施工に問題がないかを切り分けるための確認方法として考えましょう。
すでにカビが発生している場合はどうする?
すでにカビが発生している場合は、表面を清掃するだけでなく、湿気が発生した原因を確認する必要があります。
原因が残ったままでは、一度きれいにしても再発する可能性があるためです。
まずは、カビが発生している場所の周辺に結露や水漏れがないかを確認しましょう。
あわせて、換気設備が正常に動いているか、室内湿度が高くなっていないか、家具の裏側に湿気がたまっていないかも見ておきます。
エアコンや換気設備の汚れが影響している場合もあるため、フィルターや内部の状態も確認してください。
カビの範囲が広い場合や、壁・床・天井の内部で発生している可能性がある場合は、無理に自分で処理せず、住宅会社や建物調査、カビ除去の専門業者へ相談しましょう。
体調への影響が疑われる場合は、医療機関への相談も必要です。
高気密高断熱住宅とカビに関するよくある質問
高気密高断熱住宅は普通の住宅よりカビが生えやすいですか?
高気密高断熱であること自体が、カビの原因になるわけではありません。
適切に断熱・気密施工が行われ、換気と湿度管理ができていれば、室内の表面温度を保ちやすく、結露を抑えやすくなります。
ただし、換気不足や高湿度、施工上の欠損がある場合は、高気密高断熱住宅でもカビが発生する可能性があります。
24時間換気を回していればカビは防げますか?
24時間換気は重要ですが、それだけですべてのカビを防げるわけではありません。
梅雨や夏場は外気の湿度も高いため、エアコンや除湿機を併用する必要があります。
また、フィルターの汚れや給排気口の塞がりによって換気量が低下していないかも確認しましょう。
室内の湿度は何%にすればよいですか?
季節や室温によって異なりますが、カビ対策では高湿度の状態を長時間続けないことが大切です。
EPAでは、住宅内の相対湿度を60%未満、理想的には30〜50%に保つことを目安として紹介しています。
ただし、冬に湿度を下げすぎると乾燥を感じることもあるため、結露の有無を確認しながら調整してください。
C値が良ければ壁内結露は起こりませんか?
C値が良いことは、住宅全体の隙間が少ないことを示します。
ただし、断熱材や防湿層の欠損、換気、湿度なども壁内結露に関係するため、C値だけで発生の有無を判断することはできません。
気密測定は、カビや結露の原因を切り分けるための一つの確認方法として考えましょう。
まとめ|カビ対策は気密・断熱・換気・湿度をセットで考える
いかがでしたか。
高気密高断熱住宅だからといって、カビが生えやすくなるわけではありません。
適切に設計・施工された住宅であれば、室内の表面温度を保ちやすくなり、結露を抑える効果が期待できます。
一方で、換気設備が十分に機能していなかったり、室内の湿度が高い状態が続いたりすれば、高気密高断熱住宅でもカビが発生する可能性があります。
また、断熱材や気密施工に隙間があると、室内から見えない壁の内部で結露が起こることも考えられます。
カビを防ぐには、24時間換気を適切に運転し、湿度や結露の状態を確認しながら、必要に応じて除湿や空気の循環を行うことが大切です。
そして、住宅の気密性能は図面や仕様書だけでは分かりません。
「自分の家にどれくらい隙間があるのか」「施工中に漏気箇所を確認しておきたい」という場合は、実際の建物で気密測定を行う必要があります。
MU設備では、大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県を中心に、中間気密測定・完成後気密測定を行っています。
C値を測るだけでなく、漏気箇所の確認や改善につながるアドバイス、写真付きの現場報告にも対応しています。
カビや結露が気になる住宅の気密性能を確かめたい方へ
気密測定だけでカビの原因をすべて特定することはできませんが、住宅全体の隙間量や漏気箇所を確認する材料になります。
現在の工事段階で測定できるか分からない場合も、お気軽にご相談ください。
カビや結露の原因は一つではありませんが、
住宅の隙間量は気密測定で確認できます。
有資格者がC値を測定し、漏気箇所の特定から改善アドバイスまで行います。
見積もり・相談無料|個人・工務店どちらも対応