隙間風はどこから入る?原因になりやすい場所と調べ方・対策を気密測定の専門業者が解説
こんにちは!MU設備です。
「窓を閉めているのに、どこからか冷たい風を感じる」「暖房をつけても足元がスースーする」といったお悩みはありませんか?
隙間風と聞くと、窓や玄関ドアを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実際には配管や配線のまわり、床下につながる部分など、普段は目にしない場所が空気の通り道になっている場合もあります。
一方で、冷たい風を感じるからといって必ず建物に隙間があるとは限りません。 換気口から取り込む外気や、窓辺で冷やされた室内の空気を、隙間風と感じている可能性もあるためです。
大切なのは冷気がどこから来ているのかを確認し、その原因に合った対策をすること。
この記事では、関西で気密測定を行うMU設備が、隙間風の原因になりやすい場所と調べ方、対策について、実際の現場事例も交えながら解説しますので、ぜひご覧ください!
この記事の監修者

MU設備代表 向井達哉
気密測定技能者。MU設備は、大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県を中心に、中間気密測定・完成後気密測定を行っています。年間の測定実績は約500棟。漏気箇所の確認や改善アドバイスにも対応しています。
気密測定技能者は、IBECsの養成講習などを通じて、JIS A 2201に基づく気密性能の測定方法を習得し、登録された専門技術者です。詳しくはIBECs公式サイトの気密測定技能者養成事業をご確認ください。
隙間風はどこから入る?まず確認したい場所

隙間風の入り口は住宅の構造や施工状態、窓・ドアの状態によって異なります。
まずは冷気を感じる場所の近くから確認してみましょう。
ただし、室内で風を感じる場所と、外気が建物に入り込んだ場所が同じとは限りません。
壁の中や床下を通って、別の場所から室内へ出てくる場合もあります。
窓・サッシのまわり
最初に確認したいのが窓の閉まり具合です。窓が最後まで閉まっていなかったり、鍵がきちんとかかっていなかったりすると隙間ができます。
引違い窓では、左右の窓が重なる部分や、枠との接触部分も確認したいところと言えるでしょう。
また、気密性を保つためのパッキンの状態や窓の建て付けが影響している場合もあります。
LIXIL様も引違い窓の隙間風について、パッキンや窓の調整など発生箇所に応じた確認方法を案内しています。
対処方法は製品によって異なるため、調整する場合は、お使いの窓の取扱説明書を確認しましょう。Q&A (よくあるお問い合わせ)
なお、強風時に空気が出入りする場合もあり、風を感じただけで施工不良と判断できるわけではありません。
どの部分から、どのような日に風を感じるかを整理しておくと相談がスムーズになります。
玄関ドア・勝手口のまわり
玄関や勝手口も、冷気の入り口として確認したい場所の一つ。
ドアを閉めた状態で、枠との境目や下端付近に冷気を感じないか見てみましょう。
パッキンの傷みや、閉まり方に気になる点があれば、施工会社やメーカーへ相談する必要があります。
ここで注意したいのが、ドアそのものの隙間だけでなく、玄関まわりの施工部分が空気の通り道になっているケースもあることです。
MU設備の測定現場でも、玄関まわりや玄関框の気密パッキンまわりから漏気を確認した事例があります。
玄関框とは、玄関の土間と室内の床の境目にある部材のことですが、ドアに隙間テープを貼っても変化がない場合は、ドア以外の場所も確認する必要があるかもしれません。
エアコン・給排水管などの配管まわり
住宅には、エアコンの配管や水道管など、壁や床を通る設備がいくつもあります。こうした配管が住宅の気密性を確保する部分を貫通するとき、周囲の処理が十分でなければ空気の通り道になる場合が往々にしてあります。
たとえば、エアコンの配管が壁を通る部分や、洗面台・キッチンの配管付近など。
ただし、収納の中が冷たいというだけでは、隙間風があるとは判断できません。
冷えていることと、実際に空気が流れていることを分けて確認するのがポイントです。
コンセント・スイッチのまわり
意外に感じるかもしれませんが、コンセントやスイッチのまわりで冷気を感じる場合もあります。
壁の内部に空気の通り道があると、プレートの周囲などから室内へ空気が流れてくることがあるためです。
弊社のこちらの記事でも、配管・配線の貫通部やコンセントボックス周辺を、気密施工で注意したい部分として紹介しています。
この場合、表面だけを塞いでも、壁の中にある隙間の原因までは解消できない可能性がありますし、ご自身では外側から冷気の有無を確認する程度にとどめ、コンセントを分解したり、内部に補修材を入れたりせず、施工会社や電気工事業者に相談してください。
床下点検口・浴室まわり
床下点検口の周囲や、浴室の点検口付近も確認したい場所です。
特に、床で断熱している住宅でも、浴室部分は基礎で断熱するなど、場所によって断熱・気密の納まりが異なる場合があり、そうした境目の処理が漏気に関係することがあるためですね。
ただ、床下が冷たいこと自体と、床下から室内へ空気が入ることは別の話です。
点検口の近くが寒いからといって、必ずそこに隙間があるとは限りません。
無理に床下へ入って探すより、気になる場所を写真やメモで残し、住宅の構造を踏まえて確認してもらうとよいでしょう。
隙間風と思っていた冷気が、別の原因の場合もある

隙間風の対策を考えるとき、ぜひ知っていただきたいのがこの点です。
冷気の原因を取り違えると、隙間テープを貼っても改善しなかったり、必要な換気まで妨げてしまったりすることがあります。
窓際の冷気は「コールドドラフト」かもしれない
窓を閉めているのに、窓際から足元へ冷たい空気が流れてくる。
その場合は、コールドドラフトという現象が関係している可能性があります。
コールドドラフトとは、窓に接した室内の空気が冷やされ、下へ流れる現象です。外から隙間風が入っていなくても、足元がスースーすると感じることがあります。YKK APの記事でも、冬の窓辺の冷えの原因として紹介しています。
窓の継ぎ目から局所的に風を感じるのか、それとも窓の下側から広く冷気が流れてくるのか?という違いは、原因を考える手がかりになりますが、隙間風と窓の冷えが同時に起きている場合もあるため、体感だけで完全に見分けられるわけではないことを認識しておきましょう。
換気口から入る外気を冷たく感じている
壁の給気口付近で冷気を感じる場合は、24時間換気などによって取り込まれた外気の可能性があります。
給気口は、室内の空気を入れ替えるために設けられた空気の入り口ですが、寒いからといってテープなどで塞ぐと、必要な換気ができなくなるおそれがあります。
給気口の風が直接体に当たる場合は、家具の配置や、メーカーが案内する風向き調整の方法などを確認してみましょう。
換気量の変更は自己判断で行わず、施工会社や設備業者へ相談することが大切です。
隙間風がどこから来るか、自分で調べる方法

では、実際に隙間風がどこから入ってきているのかはどのように調べればよいのでしょうか。
ご家庭では、まず冷気を感じる場所を絞り込むことから始めましょう。
すべての隙間を見つけるのは難しくても、状況を整理することで、その後の点検や相談に役立ちます。
窓とドアを閉め、冷気を感じる場所を確認する
まず、外に面した窓やドアを閉め、鍵がかかっていることを確認します。
24時間換気は通常どおり使用し、エアコンやサーキュレーターの風が直接当たる場所を避けて調べましょう。
窓枠、玄関ドア、配管付近などに手を近づけ、局所的に空気が流れていないかも確認します。
ここで、壁や床に触れて冷たいだけなのか、手を離しても風のような流れを感じるのかを意識してみてください。
表面が冷えているだけなら、隙間風以外の対策が必要な場合があります。
薄いティッシュで空気の動きを見る
手では判断しにくいときは、細く切った薄いティッシュの端を持ち、気になる部分へ近づける方法もあります。
空気の流れがあれば、ティッシュが動くことがあります。
ただし、手の動きや室内の気流でも揺れるので、揺れたからといって隙間風と断定はできません。反対に、動かなかったとしても、小さな漏気がないとは言い切れないのです。
あくまで場所を絞るための簡易的な確認として考えましょう。火のついたろうそくやライターで調べる必要はありません。
風を感じる時間帯や設備の使用状況を記録する
いつ冷気を感じるのかも、大切な手がかりになります。
風が強い日に気になるのか、外が冷え込む夜に感じるのか、普段の生活で、レンジフードを使っているときに変化があるかも、気付いた範囲で記録しておくと役立ちます。
「リビングが寒い」という伝え方よりも、「風の強い日に、窓の右下から冷気を感じる」と伝えた方が、確認する場所を絞りやすくなりますね。
気になる位置の写真と、日時・天候・設備の使用状況を残しておくと、施工会社へ説明しやすくなります。
隙間風の対策は、原因に合わせて考える
冷気を感じる場所が分かったら、次は対策です。
ただし、目についた隙間をすべて塞げばよいわけではありません。
住宅には、換気や排水、設備の点検に必要な開口部もあります。
窓やドアは、閉まり方と部材の状態を確認する
窓やドアの接触部分から風が入る場合は、建て付けやパッキンなどの確認を依頼しましょう。
隙間テープが役立つ場合もありますが、厚みや貼る位置が合わなければ、開閉しにくくなることがあります。
製品に必要な排水穴などを塞いでしまわないよう、使用する窓・ドアに適した方法かを確認することが大切です。
新築や引き渡し直後であれば、先に施工会社へ状況を伝え、点検を依頼するとよいでしょう。
窓で空気が冷やされている場合は、断熱対策を検討する
コールドドラフトが主な原因であれば、窓の断熱性を高める対策が候補になりますね。
内窓の設置などについて、窓の専門業者へ相談するのも一案です。
カーテンの使い方や家具の位置を見直すことで、冷気が体に直接当たるのを和らげられる場合もあるでしょう。
ただし、隙間からの漏気が原因なのか、窓そのものの冷えが原因なのかによって、優先する対策は変わります。
工事を考える前に、原因を確認しておきたいところです。
配管や床下につながる部分は、施工方法を確認する
配管まわりや床下につながる部分に問題がある場合は、住宅の構造に合った気密処理が必要です。
見えている穴を塞ぐだけでよいのか、その奥にある気密層から処理する必要があるのかは、現場によって異なります。
また、完成後は壁や床の仕上げに隠れているため、補修できる範囲が限られる場合もあります。
どこまで確認でき、どのような補修が可能かを、施工会社と相談しながら進めることが大切。
賃貸住宅の場合も、自己判断で部材の取り外しや補修を行う前に、管理会社や貸主へ相談しましょう。
どこから入るか分からない隙間風は、気密測定で調べられる?
「窓も玄関も確認したけれど、冷気の入り口が分からない」
そんなとき、住宅の隙間量を確認する方法として気密測定があります。
気密測定では、専用の送風機で室内と屋外に圧力差をつくり、そのときの空気の流量などから住宅の気密性能を調べられるからです。
結果を示す指標の一つが、住宅全体の隙間量を床面積あたりに換算したC値。
また、測定時の圧力差を利用して空気の流れを確認することで、漏気箇所を探す手がかりが得られます。
ただし、C値の数値だけで、隙間の場所が自動的に分かるわけではありません。 数値の測定と、現場での漏気箇所の確認は、分けて考える必要があります。
壁や床の内部に隠れた経路まで、すべて特定できるとは限らず、窓の断熱性能や暖房の能力などもC値だけでは判断できません。
MU設備では、測定結果をお伝えするだけでなく、現場で確認できる漏気箇所を調べ、改善に向けたアドバイスを行っています。
滋賀県草津市で、浴室・玄関まわりの漏気を確認した事例
ここで、MU設備が実際に行った完成後気密測定の事例をご紹介します。
滋賀県草津市の木造2階建て住宅で、お施主様からご依頼いただき、お引き渡し後すぐに測定を行いました。測定結果は**C値0.82㎠/㎡**でした。

現場では、浴室の床下にある人通口に隙間が見つかり、浴室点検口からの漏気につながっている可能性がありました。また、玄関框の気密パッキンまわりでも漏気を確認しています。

確認した内容はお施主様へお伝えし、後日ハウスメーカー様へ補修対応をご相談されることになりました。この事例では、補修後の数値改善まで確認したわけではありません。
住宅の空気の通り道は、窓やドアだけとは限りません。実際に測り、現場を確認することで、今後の対応を考える材料が得られる場合があります。
隙間風や気密性能が気になる方へ、MU設備ができること

MU設備では、大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県を中心に、中間気密測定・完成後気密測定を行っています。
気密測定が初めての方にも、C値の意味や測定内容を分かりやすくご説明し、確認できた漏気箇所について、現場に合わせた改善方法をお伝えします。
また、現場で確認した漏気箇所や、補修が行われた場合の補修後の状態は、写真と説明をメールで共有させていただいており、立ち会ったときに聞いた内容を、後から確認したい場合にも役立てていただけます。
測定結果は試験結果報告書としてお渡ししますのと、補修工事の担当や対応範囲については、施工会社様と確認しながら進めます。
「気になる場所があるけれど、測定で何が分かるのか知りたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。
まとめ|隙間風の対策は、冷気の入り口を確認することから
隙間風は、窓や玄関ドアだけでなく、配管・配線のまわりや床下につながる部分などから入る場合があります。
一方で、窓辺で冷やされた空気や、換気口から取り込む外気を隙間風と感じていることもあるため、冷気の原因を確認することが大切。
まずは、どこで、いつ、どのように冷気を感じるのかを整理してみましょう。
自分で確認しても原因が分からない場合は、施工会社への点検依頼や、気密測定による確認を検討する方法があります。
MU設備では、住宅の気密性能を数値で確認するとともに、漏気箇所の確認や改善に向けたアドバイスを行っています。
関西で住宅の隙間や気密性能が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。