配管の気密処理はどうする?貫通部の施工方法と漏気を防ぐポイントを解説
こんにちは!MU設備です。
この記事をご覧になっているということは配管の気密処理についてお調べでしょうか。
そう、住宅の気密施工で、注意して確認したいのが配管まわりです。
壁や床の気密処理を丁寧に行っていても、給排水管や換気ダクトなどが通る部分に隙間が残っていれば、そこが空気の通り道になることがあるためですね。
「ウレタンで埋めたから大丈夫」
「気密テープを貼っているので問題ないはず」
現場では、そのように考えることもあるのではないでしょうか。
しかし、大切なのは材料を使ったことではなく、配管と気密層の間が、隙間なくつながっているかどうかです。
MU設備の測定事例でも、浴室の配管まわりに施工されたウレタンの隙間から漏気が確認されたケースがあります。
この記事では、工務店様や現場担当者様に向けて、配管の気密処理に使う材料や施工の考え方、見落としやすいポイントを解説していきますので是非ご覧ください。
配管の気密処理は、気密層を貫通する部分に必要

まず押さえておきたいのが、配管が通る穴をすべて同じように処理するわけではない、という点です。
住宅には、室内と外部の間で意図しない空気の出入りを抑える「気密層」があり、配管がこの気密層を貫通する場合、そのまわりを適切につなぐ処理が必要です。
たとえば、室内側の防湿気密シートで気密を確保する壁なら、配管とシートの接続部分を確認します。床や基礎についても、どの位置を気密層とする設計なのかによって、処理する場所が変わります。
つまり、最初に確認するのは、「何で埋めるか」よりも「どこで気密を確保するか」です。
ここが曖昧なままでは、目に見える穴をふさいでも、別の経路から空気が通ってしまう可能性があります。
断熱材を詰めることと、気密処理は別に考える
配管まわりに断熱材が入っていると、隙間もふさがっているように見えるかもしれません。
ただし、グラスウールなどの繊維系断熱材を詰めただけでは、気密層をつないだことにはなりません。
断熱材の施工と、シートや専用部材による気密処理は、それぞれ確認する必要があるのです。
吹付け断熱材の場合も、採用する製品・工法でどのように気密を確保するのかを確認してください。
断熱材があることと、空気の通り道がふさがっていることを分けて見るのがポイントとなります。
配管の気密処理に使う主な材料

配管まわりの処理には、気密テープ、専用パッキン、シーリング材、充填用ウレタンなどが使われます。
ただし、当然、どの材料でも同じように使えるわけではないため、配管の材質や形状、下地、隙間の大きさ、施工後の動きなどを踏まえて選ぶようにしましょう。
気密テープ
気密テープは、配管まわりの部材と気密シートなどを接合するときに使用します。
施工では、貼り付ける面を整え、シワや浮きを残さず密着させることが大切。
配管の根元は立体的な形になるため、平らな継ぎ目と同じ感覚で貼ると、角の部分に隙間が残ることがあります。
そのため、形状に追従できる製品を選ぶか、専用の気密部材と組み合わせる方法を検討しましょう。
テープの幅や重ね方、圧着方法は製品によって異なります。現場ごとの判断だけに頼らず、使用する製品の施工要領に合わせて施工します。
配管用の気密パッキン・専用部材
配管を通すための専用パッキンを使い、周囲を気密シートや面材に接続する方法もあります。
専用部材を採用するメリットは、現場での処理方法をそろえやすくなること。
ただし、部材を使えば施工確認が不要になるわけではありません。
配管との接触部分と、周囲の気密層との接続部分の両方を確認しましょう。
シーリング材・充填用ウレタン
隙間の形状や採用する工法によっては、シーリング材や充填用ウレタンなどを使用します。
ここで注意したいのが、表面が埋まって見えても、接着面や裏側まで処理できているとは限らないという点です。
使用する材料が配管や下地に適しているか、必要な施工寸法や硬化条件を満たせるかを確認してください。発泡量や充填方法も製品によって異なるため、隙間の大きさに関係なく大量に入れる、といった施工は避けます。
また、気密処理だけで、配管の保温や外壁の防水、防火上必要な処理まで代用できるわけではありません。それぞれの目的に合った仕様を確認することが大切です。
配管の気密処理を進める際のポイント

では、現場ではどのような順序で確認すればよいのでしょうか。
具体的には、材料の選定だけでなく、施工する位置と作業できるスペースまで考えておくと、処理漏れを減らしやすくなります。
気密層の位置と、配管の通り道を確認する
まず、図面と現場で気密層の位置を確認します。
配管がどこを貫通し、その部分を誰が、いつ処理するのかまで決めておきましょう。
特に、設備工事と断熱・気密工事で担当が分かれる場合は注意が必要です。
それぞれの作業が終わっていても、接続部分の処理が残っている可能性があるためですね。
「配管工事後に気密処理をする」「処理後に現場監督が確認する」といった流れを共有しておくことが大切です。
配管の裏側まで作業できる状態をつくる
配管が壁際に寄りすぎていたり、複数の管が密集していたりすると、裏側に手が届かず、施工や確認が難しくなります。
そのため、配管位置を決める段階で、気密部材を取り付けたり、テープを圧着したりできるスペースがあるかも確認します。
機器や仕上げ材を取り付けてからでは、処理しにくくなる部分もあるでしょう。
完成時の納まりだけでなく、気密処理を行う順番まで考えることが重要です。
下地を整え、配管の全周を処理する
施工前には、接着面のほこりや水分などを確認し、使用する材料の施工要領に従って下地を整えます。
そのうえで、配管の手前だけでなく、裏側や下側まで連続して処理できているかを確認してください。
スリーブを設ける納まりでは、スリーブと壁・床の間、配管とスリーブの間など、複数の接続部分ができます。
どの部分で気密を確保する設計なのかを確認し、必要な処理を行います。
一つの隙間をふさいだだけで、全体の処理が完了したと思い込まないことが大切です。
後から配管を動かした場合は再確認する
気密処理が終わった後に、配管の位置調整や追加工事が入ることもありますが、その際、テープや部材が引っ張られたり、施工済みの部分に新しい穴が開いたりする可能性も。
そのため、処理した直後の確認に加えて、後工程で手を加えた場所も確認するようにしましょう。
現場写真を残しておくと、どこまで処理したかを共有しやすくなります。
配管まわりで見落としやすい箇所
次に、配管の気密処理では場所によって確認しにくい部分が異なります。
特に意識したいのが、浴室まわり、凹凸のある管、複数の配管が集まる部分です。
浴室まわりの配管貫通部
浴室まわりでは、給水・給湯・排水などの配管に加え、床下や基礎との取り合いも関係するため、床断熱なのか基礎断熱なのか、浴室部分をどのように断熱・気密の範囲に含めているのかによって、確認する場所が変わります。
そのため、「浴室の配管だからここを埋めればよい」と一律に判断することはできません。
ユニットバスの設置後など、手が届きにくくなる工程も踏まえて、処理する時期を調整しておきましょう。
蛇腹管・凹凸のあるダクトとの接続部
表面が平らな管と、蛇腹状の管では、部材の密着の仕方が異なります。
パッキンを通しただけでは、表面の溝に沿って隙間が残る場合があります。
実際に、日本住環境のドームパッキンの施工資料では、スパイラルダクトやフレキシブルダクトなど、凹凸のある部材との取り合いにはテープ処理が必要とされています。
同じ径でも形状によって施工方法が変わるため、配管径だけでなく、表面の形状まで確認して部材を選ぶことが重要です。
複数の配管・配線がまとまる部分
複数の管や配線が一つの穴を通る場合は、外周だけをふさいでも、管同士・配線同士の間に隙間が残ることがあります。
外から見える輪郭だけで判断せず、束の内側まで確認しましょう。
処理しにくい場合は、貫通位置を分ける、対応する専用部材を採用するなど、設計・施工担当者間で納まりを検討してください。
後から無理に埋めるよりも、施工しやすい配置を先に考えておく方が確認もしやすくなります。
ウレタン処理後の配管まわりから漏気が見つかった事例
ここで、MU設備が行った測定事例をご紹介します。
和歌山県有田郡の木造2階建て住宅で中間気密測定を行った際、浴室の配管まわりに施工されたウレタンの隙間から漏気が確認されました。
この部分はテープで処理し、あわせて電気配線まわりや下屋の取り合い部分なども補修しています。


その結果、住宅全体のC値は、初回の0.40㎠/㎡から、補修後は0.26㎠/㎡へ改善しました。
ただし、この数値の変化は複数箇所を補修した結果です。
配管まわりだけの補修効果を示すものではありません。
この事例からお伝えしたいのは、すでに材料で処理されている場所も、漏気確認の対象になるということでして、施工済みかどうかに加えて、実際に空気が通っていないかを確認することが、改善につながります。
配管の気密処理は、中間気密測定で確認する
配管まわりを丁寧に施工しても、見た目だけで住宅全体の気密性能を判断することはできません。
そこで役立つのが、施工途中に行う中間気密測定です。
C値によって住宅全体の隙間量を確認し、あわせて現場で漏気箇所を調べることで、補修を検討する材料が得られます。
なお、C値そのものが、漏気している場所を示すわけではありません。数値の測定と漏気箇所の確認は、分けて考える必要があります。
配管工事と気密処理が整い、まだ補修できる段階で測る
中間測定では、気密層や必要な貫通部処理が整っていることと、漏気箇所に手を入れられることの両方が重要です。
配管工事前に測っても、その後の貫通工事の状態までは確認できません。一方、仕上げが進んでからでは、補修できる範囲が限られる場合があります。
そのため、工法や工程を踏まえて測定時期を決めましょう。
測定後に追加の貫通工事がある場合は、その部分の再確認も必要です。
中間測定と完成後測定では確認する段階が異なるため、目的に応じて計画しておくことが大切です。
MU設備は、工務店様の気密施工の確認をサポートします
MU設備では、関西6府県を中心に、中間気密測定・完成後気密測定を行っています。
C値の測定に加え、配管まわりやシートの継ぎ目などの漏気箇所を確認し、現場の状況に応じた改善方法をお伝えします。修繕作業は、基本的に工務店様側での対応となります。
現場で確認した箇所や補修後の状態は、写真に説明を添えて共有。
測定結果は試験結果報告書としてお渡ししているため、社内での施工確認やお施主様への説明にもご活用いただけます。
「配管まわりの処理を確認したい」「中間測定を工程に組み込みたい」といったご相談も承っています。
まとめ
配管の気密処理では、まず住宅のどこで気密を確保するのかを確認し、その位置で配管と気密層を途切れなくつなぐことが大切です。
気密テープや専用パッキン、充填材などは、配管・下地・隙間の状態に合わせて選び、メーカーの施工要領に従って使用しましょう。
特に、配管の裏側や凹凸のある管、複数の配管が集まる部分は、見た目だけでは確認しにくい箇所です。
施工後の状態を、まだ補修できる段階で確かめること。そのための手段として、中間気密測定を活用できます。
MU設備では、大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県の現場に対応していますので、初めての測定から継続的なご依頼まで、お気軽にご相談ください。
MU設備では、C値の測定とあわせて漏気箇所を確認し、改善につながるポイントをお伝えします。
確認箇所は写真と説明で共有し、測定結果は試験結果報告書としてお渡しします。
現場の工程に合わせた測定時期や、継続的なご依頼についてもご相談ください。
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