中間気密測定とは?その重要性と正しい実施方法を解説

中間気密測定 更新日: 2025-11-08 MU設備広報

[この記事は2025年11月8日に更新しました]

こんにちは!MU設備広報部です。

皆さんは「中間気密測定」という言葉を聞いたことがありますか?

家の気密性能を測定する「気密測定」には、大きく分けて 「中間気密測定」「完成後気密測定」 の2種類があります。

特に 「中間気密測定」 は、建築途中で施工の精度を確認し、気密性能を向上させるための重要な工程です。

本記事では 「中間気密測定とは何か」「なぜ必要なのか」「正しい測定方法」 について、徹底的に解説します。

実践的な情報を盛り込み、建築業者の方や家を建てる人に役立つ内容にしていますので、是非ご覧ください。

こんな方におすすめの記事です

・中間気密測定について詳しく知りたい方
・中間気密測定を検討されている方
・なぜ中間気密測定をする必要があるのか疑問に思っている方。

中間気密測定とは?

それでは早速中間気密測定について見ていきましょう。

中間気密測定の概要

中間気密測定(ちゅうかんきみつそくてい) とは、住宅の断熱・気密工事が完了した 「内装工事前」 に行う気密測定のことです。

建築途中で施工精度をチェックすることで、気密性能の低下を未然に防ぐことができます。

【測定タイミング】

  • 断熱材や気密シートの施工等、建物の気密層が完成した時点
  • 石膏ボード(クロス)が貼られる前

このタイミングで測定することで、施工不良や気密性能の低下を 「修正可能な段階で発見」 できる事が最大のメリットです。

完成後気密測定との違い

中間気密測定完成後気密測定
実施時期断熱・気密施工後(内装工事前)住宅完成後(引き渡し前)
目的施工不良の確認・修正最終的な気密性能の確認
メリット施工段階で改善が可能実際の住環境での気密性を測定
デメリット内装工事後の影響を考慮できない施工不良があっても修正が難しい

完成後に気密性が悪かった場合、修正は困難です。

そのため、中間気密測定を行うことで 「施工段階で問題を発見・修正」 し、高い気密性能を確保できます。

2. 中間気密測定が必要な理由

施工不良の早期発見

気密性能は、ちょっとしたスキマが原因で大きく低下します。たとえば、

  • 断熱材の隙間
  • 配線周りの気密処理不足
  • 配管周りの不十分な施工

これらの問題は、完成してからでは手遅れ になることが多いため、中間気密測定で事前に発見し、修正することが重要です。

C値(気密性能)の向上

C値(相当隙間面積) とは、建物全体の隙間を実質延べ床面積で割った値です。

  • 5.0cm²/m²以下 (最低限の気密性)
  • 2.0cm²/m²以下(昔の基準値)
  • 1.0cm²/m²以下(高気密住宅)
  • 0.5cm²/m²以下(超高気密住宅)

中間気密測定を実施することで、C値の改善が可能 になります。

施工段階でC値が2.0以上だった現場が、隙間を補修することで最終的なC値を1.0以下に抑えたケース等あります。

気密測定の数値の見方についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので是非ご覧ください。

エネルギー効率の向上

気密性が低い住宅では、以下のような問題が発生することがあります。

  • 冬は暖房の熱が逃げやすく、寒くなりやすい
  • 夏は冷房が効きにくく、電気代が高くなる
  • 結露やカビの発生リスクが高まる
  • 24時間換気システムが正しく機能せず、汚れた空気が室内に留まりやすくなる

中間気密測定を行い、施工不良を修正することで エネルギー効率の良い省エネ住宅 に仕上げることができるというわけですね。

中間気密測定の手順とポイント

次に中間気密測定の手順とポイントについて見ていきましょう。手順は大きく分けて7つのステップがあります。

中間気密測定の手順(7ステップ)

1. 測定機器の搬入・現場の確認

測定する現場の環境を確認し、測定に適した部屋を選びます。(屋外の風速が3m/s以下であるかの確認等)また測定の際は小さな窓がある部屋が望ましいとされています。

2. 換気口・通気口の目張り

24時間換気の吸排気口、水道配管等、計画的に空けられた貫通部を養生テープ等で封鎖し、正確な測定ができるようにします。

3. 測定機の設置と準備

測定機を窓枠に設置し、圧力差を測定するためのチューブ、外気温度センサーを室外へ出します。

4. 窓・扉の施錠確認

すべての 窓と扉を閉じて施錠 し、測定時の気密状態を正しく保つようにします。

5. 測定開始(室内と屋外の圧力差を測定)

測定機を起動し、室内の空気を外に排出 することで圧力差を作り、スキマの大きさを測定します。

6. 測定結果の確認

測定データを解析し、C値(相当隙間面積)やαA値(総相当隙間面積)を確認します。基準を超えていた場合は 隙間の特定と修正 を行います。

7. 報告書の作成

測定結果をもとに、試験結果報告書を作成致します。

中間気密測定でスキマが特定できるうちに対策することが重要です。

MU設備での中間気密測定の施工事例

MU設備では中間気密測定を承っています。

ここでは弊社がご担当させていただいた中間気密測定の事例についてご紹介します。

天井部分の気密シート処理をしている弊社事例画像

こちらでは初回測定時にC値が2.43と出ていましたが、補修後はC値が0.78と数値が大幅に改善致しました。
※天井断熱の住宅で、天井部分の気密シート処理に欠損があったため補修致しました。

24時間換気ダクト周りの気密処理ができておらず補修した弊社事例画像

こちらの事例は24時間換気ダクト周りの気密処理ができておらず補修し、初回測定時C値0.68→ 補修後C値0.26とこちらも数値が改善致しました。

※基礎断熱、屋根断熱の住宅で、浴室周りの気密パッキン接合部分の欠損を補修。

いかがでしょうか?今回ご紹介した事例はわずかですが、弊社では私たちは気密測定の専門家として、年間約500棟の住宅や建物において、高品質な気密測定サービスを提供しています。

気密測定を検討されている方は是非一度弊社にお問い合わせください。

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まとめ

というわけで本記事のまとめになります!

中間気密測定は「完成後では直せない問題」を事前に発見・修正できる重要な工程です。

測定することで以下のメリットが得られます

・施工不良を発見しやすい
・C値の改善が可能
・省エネ・快適な住宅づくりにつながる

施工の質を向上させるためにも、気密性を意識した 「中間気密測定の実施」 を強くおすすめします。

しっかり測定して、高性能な住宅を実現しましょう!

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著者情報

MU設備広報
本記事は、当社の広報部が作成し、気密測定技能者(IBECs認定)の資格を持つ代表向井達哉が監修しました。 MU設備は関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山)を中心に気密測定を専門に行っています。こちらのコラムページでは専門知識を活かし、 気密測定の仕組みや活用法、その他気密測定に関するお得な情報について分かりやすく解説します。
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