気密測定は自分でできる?DIY手順とプロ依頼の違いを徹底解説|MU設備

気密測定 投稿日: 2025-10-28 MU設備広報

こんにちは、MU設備広報です!

「気密測定って自分でできるのかな?」

「自分でするとしたらメリットやデメリットは?」

本記事ではこのような疑問についてお答えしていきたいと思います!

家づくりやリフォームを検討する際に「断熱性能」はよく注目されますが、同じくらい重要なのが「気密性能」です。

気密性が低い家は、いくら断熱材を厚くしても隙間風が入り、結露やエネルギーロスの原因になります。

そこで行われるのが「気密測定」です。

この記事では、気密測定の基礎知識から「自分でできる簡易的な測定方法」、さらにプロに依頼した場合との違いを解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

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気密測定とは?

完成後気密測定の様子

気密測定とは、家の隙間の大きさを数値化して性能を評価する検査のことです。

住宅の性能を表す代表的な指標が「C値(相当隙間面積)」と言われる数値。

  • ・C値=建物全体の隙間面積 ÷実質延べ床面積
  • 数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高い住宅といえます。
  • 一般的に C値1.0以下 であれば”高気密住宅”とされます。

気密測定によって分かることは以下のとおりです。

  • 建物全体の隙間の大きさ
  • 隙間の位置
  • ・どのくらい隙間風が入るか
  • 計画換気が正常に機能するか
  • 気密性能の評価(C値)等

断熱材の性能を最大限に発揮させるためにも、気密性は欠かせない要素となります。

C値についてこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

気密測定は自分でできる?

専用測定器を使う方法

本格的に自分で気密測定を行う方法としては、「ブロワードア試験」と呼ばれる業務用の測定器をレンタルして行うやり方があります。

手順の流れ

  1. 1.換気口の目張りと封水の確認
  2. 2.測定器を窓などに設置する
  3. 3.窓や玄関の扉が施錠されているか確認
  4. 4.室内外に圧力差を作り、送風量を計測する
  5. 5.C値(相当隙間面積)を算出する

費用目安
レンタル料金は日数にもよりますが2万円〜4万円程度。取り扱いに慣れていないと正しい数値が出ないこともあります。

デメリット

  • ・機材が大掛かりで個人にはハードルが高い
  • ・設置や測定手順を間違えると正しい数値を出せない可能性がある
  • ・正式な報告書にはならない

簡易測定の方法

もっと手軽に「隙間風の有無」を調べたい場合には、以下のような簡易チェックがあります。

  • ・建物の窓を全て閉めて、レンジフード(換気扇)を強運転にする
  • ・玄関ドアを開けて重くなっているか確認 ※建物がある程度の気密性があるか確認
  • ・コンセントや窓周り等、漏気していそうな箇所に実際に手を当ててみる
  • ・スモークペンを使って空気の流れを可視化する
  • ・サーモカメラ(レンタルやスマホ用アタッチメント)で温度差を確認する
  • ・窓やドアにすき間テープを貼り、体感的に改善効果を確認する

これらは正式なC値を出せるわけではありませんが、「隙間の場所」や「改善の余地」を把握するヒントになります。

気密測定の数値の見方についてはこちらの記事でご紹介しております。

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プロに依頼する気密測定との違い

プロ測定の特徴

専門業者に依頼する場合、以下のようなメリットがあります。

  • 中間気密測定と完成後気密測定の2回が可能
    → 中間気密測定(建築途中のため補修が可能)と完成後気密測定(建物の最終的な気密性能を確認)をする事によって気密性能の向上、また実際に生活する際の気密性能を知る事ができます。
  • 報告書を発行
    → 住宅性能表示や省エネ基準、長期優良住宅の認定などで必須。
  • ・数値の信頼性が高い
    → 専用機材と経験豊富な測定員によって正確にC値を算出。

MU設備でも中間気密測定と完成後気密測定の2回が可能となっております。

DIYとの違い

  • ・DIYは「体感ベース」「参考値」でしかない
  • ・公的な評価や補助金申請には使えない
  • ・正確性・信頼性で圧倒的に差がある

つまり「趣味的に試す」「改善の目安を知る」ならDIYでも良いですが、住宅の性能証明にはプロの測定が欠かせないと言えます。

項目DIYプロ測定
精度目安レベル高精度(報告書発行)
C値の算出不可/参考値のみ可(第三者提出に耐える)
準備の手間高い(機材・手順)低い(スタッフに任せられる)
申請・認定用途不可可(性能証明に活用可能)
改善提案自己判断原因特定〜改善案まで提示
総コスト短期は安いが誤差リスク費用はかかるが確実

MU設備では数値の改善の対応も行なっております。

MU設備では気密測定を行うだけではなく、数値を改善するための対応にも寄与させていただいております。

実際のMU設備の施工事例。柱の隙間を埋めている。
実際のMU設備の施工事例。隙間を埋めている。
実際のMU設備の施工事例。柱の隙間を埋めている。

自分で気密測定を試すメリット・デメリット

メリット

  • ・コストを抑えられる(簡易チェックなら数千円)
  • ・日常的に繰り返し点検できる
  • ・小さな補修で改善効果を実感しやすい

デメリット

  • ・正確な数値は出せない
  • ・測定や施工を誤ると「気密性が悪い」と勘違いする可能性がある
  • ・新築や大規模リフォームでは結局プロの測定が必要になる

DIYでできる気密改善のアイデア

自分で簡単にできる改善方法もあります。

例えば以下のような内容です。

  • ・窓、サッシ周りの隙間にすき間テープを貼る
  • ・コンセントボックスに気密カバーを取り付ける
  • ・ドア下に隙間ストッパーを設置する
  • ・換気扇やダクト周りをシーリング材で補強する

こうした改善を行い、サーモカメラやスモークで再チェックすることで、気密性が向上したかどうかを体感できますが、あくまで個人で行う形となり第三者が行うわけではないため信頼性や正確性には欠けると言えるでしょう。

まとめ:やはりプロに依頼するのがおすすめです

簡易チェックは、サーモカメラやスモークを使えばDIYでもある程度は試せます。

しかしそれはあくまで「目安」であり、正確なC値を算出して住宅性能を保証するには、専用機材を用いたプロの測定が欠かせません。

特に新築住宅やリフォーム後に「長期優良住宅認定」や「省エネ性能評価」を受けたい方、将来的に資産価値を高めたい方は、必ずプロによる測定をおすすめします。

「隙間を埋めたつもりでも数値が改善しない」

「本当にこの家は高気密なのか?」

と不安を感じたら、迷わず専門業者に相談してください。

正しい測定と改善提案によって、光熱費の削減・結露防止・快適な住環境づくりが実現します。

当社でも気密測定のご相談・お見積もりを承っています。
「自宅の性能を正しく知りたい」

「これから建てる家の気密性を保証したい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

測定だけ依頼して、改善は自分で行っても良いですか?
はい、測定のみのご依頼も可能です。改善の優先箇所はレポートでご案内します。
新築とリフォーム、どちらで測定すべきですか?
ベストは中間(施工途中)と完成の2回です。既存住宅でも現状把握に大きな効果があります。
どれくらいで結果が分かりますか?
当日速報値をお伝えし、後日レポートをお渡しします(スケジュールはご相談ください)。

著者情報

MU設備広報
本記事は、当社の広報部が作成し、気密測定技能者(IBECs認定)の資格を持つ代表向井達哉が監修しました。 MU設備は関西エリア(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山)を中心に気密測定を専門に行っています。こちらのコラムページでは専門知識を活かし、 気密測定の仕組みや活用法、その他気密測定に関するお得な情報について分かりやすく解説します。
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